ー序章ー
【翠川 初音】中央区第一中学校→東区4丁目
幸福なのは義務なんです。
幸福と安心の世界なのは、サイレン女王様のおかげなんです。
私が幸福と安心でいられるのは全部漣君のおかげなんです。
アンニュイに窓の外を眺めていたけど、漣君を横で見つめてたのに気付いて振り返ってきたんです。
目で「何?」と語ってきて、私は首を振り語り返す。
「なんでも、ないよ」と目で語ると「ふーん」という感じに、また窓の外を眺めた。
私も前を向いて流歌子先生が,2学期の成績を話していた。
「初音は前より、上がった」
漣君が外を眺めて言ってきて,私がまじまじ見ていると凛ちゃんが私の背中をツンツンとしてきた。
(漣の言う通り、初音ほんと上がったよ!)
凛ちゃんまで言うから、ちょっと照れ臭い……