>>30直し
キーンコーンカーンコーン……
いよいよ希島先生初の授業が行われる。
ガラッ……
希島先生は小柄な体に大きな荷物を抱えた先生を見るなりクラス中から
「ヤバイ☏☏実物ダセーww」
「めっちゃ小さいやんww」
とコソコソと話している。
しかも、挨拶では休み時間から計画していたのか、
「起立、気をつけ、礼。」
『ありがとうございました!』
「お願いします……ってえっ!?」
と玲奈以外全員が終わりの挨拶。
(みんな、何してんの??いきなり怒られちゃうよ……)
と玲菜が胸中で焦っていると……
「ゴホン……」
と希島先生はひとつ咳払いをすると何事もなかったかのように授業を始める。
(よかった……)
と安心していたのもつかの間。
授業が始まり15分。
……カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ………
タイミングぴったしにみんなのペンがなり出す。
(みんな、真剣だなー!……?)
と呑気にしていると、
隣の男子が玲菜に、
「早くお前もやれよ。」
と言ってきた。
(ええっ!?)
(みんなわざとだったんだ……でも、玲菜がやるわけないじゃん……)
と玲菜だけが真剣に授業を受ける。
これがきっかけで玲菜の希島先生に対する愛が膨らんでいくのだった。