当時は科学が発達していたのもあり、大昔のように『未知のもの』を崇める事がなくなったせいか、妖怪やモンスター等の存在を否定する人々が多くいた。「幽霊は錯覚」「映像は加工」「それは幻聴だ」と皆口を揃えて言っていた。そのせいもあって、最初は『未知』は存在すると叫んでいた者達も姿を消し、しだいに『未知』は存在しない、ということがその当時の常識になった。
しかしある日、一人の女性が帰り道に何モノかに襲われたことからその常識はひっくり返された。
警察や民衆は当初、直ぐに犯人は見付かるものだと信じこんでいた。否、思いあがっていたのだ。科学が大幅に発達し、犯罪者の逮捕率も大幅に増えた今の世界に。
一ヶ月経った。犯人は捕まらない。
五ヶ月経った。犯人は捕まらない。
十ヶ月経った。やっぱり犯人は捕まらない。
そしてきっかり十二ヶ月目。また同じ事件が起こった。人々は捕まるだろうと確信していたし、前回との繋がりを考える者はいなかった。
一ヶ月経った。犯人は捕まらない。
五ヶ月経った。犯人は捕まらない。
十ヶ月経った。やっぱり犯人は捕まらない。
そしてきっかり十二ヶ月目。また同じ事件が起こった。