〖episode 3〗心。
「ぼくノ過去?」
私はこくりと頷く。どうして暴れたのか、とか_ヒロトは誰に作られたのか、とか。
「ぼくノ親ハ天才ノハカセ。ぼくガ生まれた時代ニロボットハいたけれど、心ヲ持たないロボットしかいなかった。
デモハカセハ天才だから、ぼくニ心ヲつけてくれた。ハカセハ言ってくれた。お前は優しいな、ト。
優しくしたから、笑顔っていうプレゼントヲ貰った。デモ_」
大翔は目をカッと大きくした。
「ある人ガぼくヲ勝手ニいじった。ぼくノ心ハ高く売れるらしいから_盗まれたんだ。ぼくハ人ノことなんかどーでもよくなった。
いや、どーでもよくなったっていうより全てノものニ感情ヲ持たなくなった。そのあとすぐニ【災厄】ガ起きた。」
ああ。少年と少女が話してた_世界の終わりみたいになったやつか。
「災厄ハ、願いヲ叶えて不幸ヲ撒く、【願いを叶える装置】(呪われた箱)でね、色んな願いガ叶っちゃうんだ。
平和ヲ嫌うやつガ現れてね、核戦争ガ起きたんだよ。」