「それはね、ここにあるよ」【心做し】

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5:時雨◆1w sou君の心做し聞きながら書いてます。:2018/07/16(月) 12:37

〖episode 2〗名前。

監禁されている所は、綺麗で壁が真っ白だった。そして彼は、私に気づくとペコリとお辞儀をした。

「ぼくノことハお前ト呼んでください」

よく通る_綺麗な声。

「私は_あなたに温もりを与えるために来たの。だから、名前をあげるわ」

会長から貰った資料には「名前をつけてあげる」と書いてあった。

「ナ、マエ_?」

カクンと首を傾ける。私は少し考えてから

「あなたへの、プレゼント。どんなのにしようかな・・・」

彼にないものは何だろう_あ!

「ぼくハどんな名前デモいいです。プレゼントなんて久しぶりダ_」

久しぶりダ、の言葉に引っ掛かる。具体的に言えないが、違和感って感じ。

「あなたの名前はヒロト。漢字で書くと、大きいに翔ぶ。あ、とぶってこの漢字ね!」

私は大翔と書く。彼は_大翔はじっと字を見る。気に入らないのかな。

「ぼくハ大翔ですね。とてもいい名前です。あなたノ名前ハなんですか?」
私は自分の名前を名乗ってなかったことに気づいた。

「私はエミ。漢字で書くと、笑うに美しい。こうかくの。笑美。」

「これから、よろしくおねがいしま」
「待った!」

挨拶をしようとするヒロトを遮って私は言う。

「敬語じゃなくていいよ。いい?ヒロト。」

彼が笑ったような気がした。ヒロトに心はないのに。

「わかった。エミ。」


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