……はいはい。予想通りですね。
本当……なによ、最後だから、最後だからって。
最後だからなんなの?
最後だからって、どうしても似合わない綺麗な洋服を着なきゃいけない!?
納得出来ないことには、従わないのがわたし。
「別に良いじゃん。最後だからって、わざわざオシャレしなくても……」
……でも、面倒な小言が増えることは…火を見るよりも明らかで。
「その言い方はなに!?あなたのことを思って言ってるのよ!」
どうしたら、朝からこんなに感情的になれるんですかね。
……なんて思うけれど、こんなことを言ったら余計にうるさく言われるだけ。
こんなやり取り、時間の無駄。
それでも、よく言うわ。
わたしのことを思って?
……子供の気も知らずに。
「……はいはい」
「どうしてそんな返事しかできないの!」
……知らないよ、そんなの。うるさい。
適当に、『うん』とか『はい』とか言いながら、トーストにかじりつく。
失われているんだか、補われているんだか分からない、口の中の水分。
わたしの心中を知らずに、
「ママぁ…」
なんて美弦が言っているものだから、余計にムカつく。
……小4にもなって。
さっさとトーストを胃の中につめこんで、席を立った。
「……ごちそうさま」