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「陽奈!ずっと一緒だよ!」
私の腕に抱きついてきたのは、八坂彩葉。
ふわふわのポニーテールが揺れる。
私は、やんわりと彼女を剥がす。
桜が美しく咲き誇っている。
中学の入学式にピッタリだ。
「陽奈は何組?」
私は、にこっと笑顔を作り、
「1-4」
と答えた。
途端に、彩葉が笑顔になり、
「やった!ウチと一緒!」
と叫んだ。
私はぼんやりと彩葉を見ながら、どんな一年間になるのか思いを馳せた。