episode2
「 花江さん!花江さん! 」
朝から教室に遥斗の大きな声が響き渡る
やれやれと呆れた表情で奏は遥斗を見る、その2人を無表情で見ていたみのりは「はい、どうかしましたか」と述べた
「 校内の案内楽しかったな! 」
「 …?
そうですね 」
絶対みのりは楽しいと思ってなかったパターンだ
わかりやすく首を傾げてから、とりあえず 一言言っただけだろう
しかしそんなのはお構い無しに昨日の出来事を次々と話す遥斗、それをひたすら頷きながら聞くみのりを見ていた奏はどこか悲しげな表情になっていた。
そして奏はその悲しげな表情と同時にこう考えたのだ
遥斗は花江さんの事が好きなのかな
けれど、花江さんはまだ転校してきて1日しか経ってないし、遥斗とは校内の案内の時間がくるまで話してなかった
だとしたら考えすぎとしか言えない_
実際遥斗が好きだから。
奏はいつも遥斗の事について考えたりしている
学校でも寮でも遥斗の事ばかり気にしてしまうくらいには好きらしい
今は花江さんという存在がこれから遥斗にとってどんな存在になるのか、私にはもう話しかけてくれないのかな、なんて事で頭がいっぱいである
簡単に言えば奏はみのりに嫉妬しているからだ
続きます