誰にも見せない小筆があった。人知れず流れた小筆があった…
あれは、夏のこの頃。綾瀬未来は小筆を水道管に落としてしまった。
当時、小学生だった私は、洗面所でただ小筆を2本洗っていた。
ぼんやりと梅○富美男さんの事を考えていた。
夏の洗面所は暑苦しく、気づけば汗だくになっていた。
小筆の汚れがなかなか取れないので、若干イラついてきた私は舌打ちをした。
すると手が滑り、小筆落とした。(゚∀゚;)ヤ・・・ャバ
小筆は静かに流れてゆき、水道管の中へと入っていった。
ゆっくりと、ゆっくりと。
絶望した私は、その小筆を全力で取ろうとした。
小筆は私を嘲笑うかのように、水道管から出てこない。
その努力も虚しく、私が小筆を手にすることなくその一日は終わった。
翌日、私はバレるのではないかとひやひやしながら好物のみかんをかじっていた。
みかんの、いつもと変わらない優しい味がまるで私を慰めているかのようで。
少しだけ、恐怖から救われたような気がした。
二日、三日と経っていくうち、小筆の事など心底どうでもよくなった。
一週間もたてば、小筆の事などすっっっっっっっかり忘れていた私。
だが、そんな私に不幸なことが起こるなんて、まだ何一つ、知る由もなかったのだった。
ただ一人のが、私の存在をを脅かしていた。∩(・∀・)∩ モウ オテアゲダネ
そんなことさえも知らず、私はみかんを食べ終えた。
さあ、小筆の青春(?)が幕を上げる。