小筆が水道管に詰まってから、はや1か月。
私は、今日も何の変哲もない一日を過ごす………
はずだった。
実家をリフォームするため、昼過ぎに業者の人がやってきた。
家の中は一気に慌ただしくなる。
私はそれを横目で見ながら、黙ってみかんの皮をむいていた。
みかんを口に入れてしっかりと味わっていると、業者の声が聞こえた。
まさかと思いながらも、特に気にもとめず、私は二つ目のみかんに手を伸ばした。
だが、次の瞬間。
「小筆が出てきました―――!」
その声に、私はみかんを喉に詰まらせる。
恐る恐る階段を降り、洗面所へと向かう。
すると、祖母が鬼のような形相で立ちはだかっているではないか。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。
困惑が頭の中で渦を巻く。
「そこの水道管から小筆が二本出てきたそうな。どういうことかね?」
小筆、水道管………その言葉を何度も何度も反芻する。
「みーくー*☆*――――――――――――――― ゴルァ ―――――――――――――――*☆*!」
「は、はて?何のことかね?私、ちょっとみかん食べ残してるので…(*ゝω・`)ノ ゜+。:.゜さょならっ゜.:。+゜」
とっさに逃げようとした私。だがその抵抗も通用しない。
その後、私が夜中までお説教を食らったことは言うまでもなかった。