翌日からは姫の外出が多くなったようで、少女はかぐや姫を見かける度、物陰に隠れ、やり過ごしていた。
少女「行った?、、、よし。早く済ませてしまおう。よいしょ、重いなぁ」よった、よった、と水の入った
籠を手に、その村でもかなりの財力を持っていた貴公子の車持の皇子の家へ行くのを輝夜は見逃さなかった。
輝夜は少女が家にはいるまで目を細め、見下した顔で少女を見ていた。
そんな生活も続き、1〜2年経った頃、かぐや姫は一段と美しく育ち、
ついに、普通の女性が結婚する年頃まできた。
かぐや姫は結婚し、これまでの生活が崩れ、相手に縛られたりするのを考えると、
何か理由をつけては結婚を送らせていた。
そんな時、しつこい程までにも口説いてくる五人の貴公子だけは断っても断っても聞かず、
かぐや姫は考えて、この五人に明らかに手に入れることのできない五つの難題を出すことにした。
一人には仏の御石の鉢を。
一人には火鼠の皮衣を。
一人には龍の首の玉を。
一人にはツバメの子安貝を。
そして、最後の一人には、蓬莱の玉の枝を。
この蓬莱の玉の枝を頼まれたのが言うまでもなく、少女の父親、車持の皇子であった。