*椿目線*
心臓のあたりが痛い。
そう感じたときから悪い予感はしてた。
信じたくなかっただけで。
私が13年間生きてきた中で一番ショックだった言葉は
今さっき、病院の先生が言った言葉だった。
――ガンですね――
は?ガン?
ガンなんて、他人事だった。
まさか自分がなるなんて。しかもまだ子供。
もう何をやっても無駄らしい。
状況が飲み込めない私と母に、先生のとどめの一言。
――あと、3年です。もう少し早く見つかれば良かったのですが――
あと3年ってなにがですか?
まさか、生きられる時間が?
あんた医者でしょ。
助けてよ。
まだ何も
何もしてない。