あの夢の始まりはあの恋の終わりだった

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5:梨花◆.k:2018/12/03(月) 21:50

「いいですかぁ…?」

三木先生…いきなり弱気…。
笹橋くんの影響かな…。
先生の声が聞こえていない笹橋くんは、ほぼ永遠的なひとり会話だ。

「おい、くるみぃ!」

「あのさ!ちょっとうるさいってば!周り見なよ〜」

呆れながらくるみちゃんが言うと、周りの男子の冷やかしが入った。

「おいおい、初日から夫婦漫才かよ!まじウケるんですけど!」

「お世話係とボケ担的な!」

わっと爆笑が起こり、くるみちゃんの頬がふくらむ。
冷やかしとか最悪だよね…。
わたしはそっとくるみちゃんの肩を叩いて体を傾ける。

「あんなの気にしなくていいよ。無視しとけば…」

「ん、ありがと」

やっとこのやり取りが終わると、三木先生が困り顔で「あの〜もういいですか?」とキョロキョロする。
教員も大変。
生徒が言うこと聞かなかったら…。

「今から自己紹介してもらおうと思います。名簿一番から」

一番の子から順に自己紹介を始める。
次々に自己紹介をしていき、次は笹橋くんだ…。
長くなりそうという予想は当たることになってしまった。

「皆さん初めまして!俺は笹橋直哉!好きなことは話すこと。くるみと同じ中学校でーす!それからー、苦手な教科は古文。古文わかるやつはすぐ俺のとこ来て連絡先交換な!あとー、○★◆◎■▽●△…」

果てしなく長い…。
チラリと三木先生を見ると、やはり困り果てている。
しびれを切らしたくるみちゃんが止めてくれなかったらいつまで続いていたことか…!
くるみちゃん、つくづく感謝です!

「次。高木くるみさん」

「はいっ!高木くるみです。好きな教科は理数系です!よろしくお願いします!」

パチパチと拍手の音がやみ、先生から指名が入る。
緊張してきたぁ…。
くるみちゃんが「頑張れ!」と口パクで言ってくれる。

「は、初めまして。紅城莉乃です。好きな教科は国語です。よろしくお願いします…」

うわ〜最悪だぁぁぁ!
絶望しかけていた時、わたしの後ろの後ろのもうちょっと後ろの席の子の自己紹介のとき。

「初めまして。桃谷恵です。好きな教科は5教科です。よろしくお願いします」

桃谷さん、全国模試上位だ!
たしか一位だったか二位だったか…。
桃谷さんも笹橋くんも…!
レベル高すぎだぁぁぁ!


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