「えへっ♪キミのその驚いた顔もだーい好き♪そんなキミはずぅっとワタシが面倒見てあげる♪キミはワタシのソバにいればそれでいいのっ♪え?嫌?キミはワタシのモノなの♪これもみーんなワタシとキミのため♪これからもずぅっとずぅっとずぅぅぅぅっと、ヨ・ロ・シ・ク♪」
「何するんだっ!やめろっ!あっ!あああぁぁぁぁぁっ!」
「ああああああああっ!」
ふと起き上がると、自分の部屋。体の上に小一の妹が乗って俺を踏んでいた。
「やっとおにーちゃんおきた!おかーさんがさいしょっからねぼーかー!っておこってるよー」
「あーはいはい、…って今日から高校やんっ!遅刻するーっ!」
「…いわんこっちゃない…」
新しい制服にササッと着替えて食パン片手に家を飛び出す。
「おにーちゃんいってらっしゃーい!」
軽く手を振って走る俺。そこでふと思った。これって美少女と曲がり角でぶつかって恋の始まり!みたいな♪へへ//
なんてこともなく、いい意味でも悪い意味でも何事もなく駅に到着、なんとか予定の電車に乗れた。
ここで多分あるであろう自己紹介の練習でもしとくかー!
棚丘高校新入生、笹原 陽。特徴、普通。とにかく普通。中学では真ん中の成績。なんか凄い普通じゃない高校生活を求めて少し遠くのこの高校(偏差値は普通)に進学。なんでもこの高校、面白かったりおかしかったりする人が多いと話題の高校。故に逆に普通の人は滅多にこないだろ!特別な高校生活、待ってろー!
自己紹介適当やん…いや、この高校においては普通も立派なステータス!…のはず…まあ待ってろ高校生活!
「つまらん」
そうぼやいた正午。クラスの第一印象、普通。入学式、普通。俺の特別な高校生活は何処へ…俺のクラスは普通だった。基本地元の中学の人がほとんどだ。つまりボッチ。ボッチって一定数の高校生が通るキングオブ普通やー!
はぁ…まあええ…普通に校舎綺麗やし普通に生徒も優しそうだしなんとかなるなっ!
「笹原 陽です。特技は…えっと…思いつきません!仲良い人いないので仲良くしてくださあっ!以上!」
普通だから自己紹介が苦痛…
「はい、皆さん自己紹介お疲れ様です。これから三年間ここで学んで青春します。どうぞ高校生活を楽しんでください!では今日はおしまいです!」
先生の解散の合図で一斉にガヤガヤしだす。中学のグループなのかもうグループが出来てる…これ俺ボッチになるやん…
「笹原、くん?」
「ん?」