「わたしといっしょにバンドしませんかー!?」
チラシを配る小さい少女の上を見てみれば空はまるで海の色のように光り、澄みきっている。
なのに…なのにぃっ!!
「だ、だれも来てくれないよぉ…うわーん!!」
街の真ん中で泣いているわたし、要崎あのんが一人。
自分でツッコミを入れてみると
「そんなバンドマンとなる保証も付いていないお誘いを受けたって絶対バンドなんて出来やしない。」
本当は自分でもそうだって事は解っていた。
だが内心そう解っているのであれば諦める事が出来るのではないか?
そう思う人もいるであろう。しかしあのんは諦めなかった。