…突然声を掛けられ、慌てて部屋を見回してみる。
しかし、お菓子のゴミ、カップラーメン?だっけ、のカップ、
丸まったティッシュ、お酒の缶、その他よく解らない物が散乱しているだけの、いつもの部屋だった。
…世界で1番安全で、多分世界で1番危険な部屋。
…あれ?いつの間にか僕の側に来ていたのは、1匹の金色の眼の黒猫。
僕の"たった1人の"家族、リオン。何となく雄っぽいけど、本当は良く知らない。
ひとまず僕は、リオンを膝の上に乗せた。そしてゆっくり撫でながら、「訳が解らないよ…」と呟くと、
「訳が解らないのは、オマエだよッ! 無視するな!」
「…⁉」
僕をジッと睨みあげ、さっきの男の子のような声で喋っていたのは、…まさかのリオンだった。