<第2章 今までと初めて>
…状況を整理します。僕の家族猫、リオン(?)が、突然喋り始めたと思ったら人化(?)しました。
で、今に至る。うん、全然何も解らないね。リオン(?)はずっと慌ててるからか、何も話してくれないし。
「待てよ…駄目だ…嘘だろう…?」ずっとこの調子だよ。時々キラっと謎の光に包まれてるけど、何やってんだか?
「リオンなの…かな?あの、一体…どうしたの?此処で何する気か解らないけれど、危ないよ。もうすぐ帰ってくる…」
「…うん?」あぁ、やっと気付いたか。「あぁ、"アイツ"か。気にするな、"アイツ"は帰って来ない。」「…え?」
…どうして。いつも"アノ人"が帰る前に出て行かせていた筈。この子は、リオンは、"アノ人"のことを知っていた?
産まれて12年も経たない位の僕が、この狭い狭い部屋(セカイ)で1番憎くて恐ろしい人。
僕の大切な母さんを狂わせ、追い詰め、殺した人。僕を家から出さず、ただひたすら暴力を振るった人。
ー僕の、僕の…父さん。