いまから少し前。
Eternity abyss(永遠の奈落の底)と呼ばれるようになった少し前。
弱肉強食なんてない、平等な時代。
雨がだんだんと強くなっていく。
人々は魔法で傘を作り出したり、テレポートして屋内に移動する中で、9歳程の少年が立ったまま俯いていた。
少年の目線の先にはタンポポが大量に置かれていた。少年の顔が濡れている。雨じゃない。涙だ。
理由はわからないが、泣いている。
泣き過ぎたのだろうか。目が赤く染まる。
その少年を見てから3ヶ月ほどでEternity abyssの元凶は始まった。
ずっとこのままでいいのだろうか。
答えは簡単。
NOだ。