脱出 〜デスゲーム〜

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23:ちか◆g:2019/06/02(日) 18:18

「んなっ…!じゃあやっぱりお前がタヒね。モモカ」

シュンスケは矛先をモモカに戻す。

「あ、あぁぁぁ。さっきは私が生け贄になります…なんて言いましたけどやっぱり死ぬのは……怖いです…」

コトは震えるモモカの背中を優しくさすった。

「モモカちゃん……大丈夫だから…」

モモカの嗚咽だけが聞こえる中、フウが小さな声で呟いた。

「私……生け贄になってもいいです」

フウの表情に怯えた様子はなく、既に覚悟は決まっているようだった。

私たちが呆然とした中、フウは続ける。

「私、実は自殺しようとしてたんです。

 親からもクラスメートからも嫌われていて辛かったんです。私のことを好きになってくれる人はいないんだってこと

 やっと分かって、死ぬ覚悟は決めていました。でも、いざ屋上に行くと怖くなってたった一歩が踏み出せなかったん

 です。私は今が今度こそちゃんと死ぬ機会だと思ったんです。しかも今回は私の死が人の役に立てる。

 こんなチャンスはもう二度と来ないと思います。長く語ってすみません。私のことなんて興味ないですよね。

 短い間でしたが…ありがとうございました!

 みなさんお元気で…!!」

フウはそう言うと中央にある女神の像の下へと歩き始めた。

後ろを振り返ろうとはせず、一歩一歩には躊躇いがなかった。

止めるべきなのか、止めないべきなのか私は迷った。どっちか彼女にとって良いことなのか……。

女神の像まであと3歩……。

「フウちゃん…!!!!!私はお前のこと好き!!!!」

コトが掠れた声でそう言った。

「少ししか話したことないのにそんなこと言わないでよ…。

 死ににくくなっちゃうじゃん……。またね…コトちゃん。私もコトちゃんのこと大好き!!」

フウはそう言って、誰にも止めさせまいと女神の像の下へ走った。

フウが女神の像の下まで辿り着くと女神の不気味に光った。

その瞬間、フウの姿は跡形もなく消え去った。

残ったのはフウの身につけていたブレスレットだけだった。

 


ちか◆g:2019/06/02(日) 18:22 [返信]

ミスです。
「フウちゃん…!!!!!私はお前のこと好き!!!!」ではなくて
「フウちゃん…!!!!!私はキミのこと好き!!!!」でした。
もともとこの台詞はヨリタに言わせるつもりだったので「お前」となってしまいました。

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