「んなっ…!じゃあやっぱりお前がタヒね。モモカ」
シュンスケは矛先をモモカに戻す。
「あ、あぁぁぁ。さっきは私が生け贄になります…なんて言いましたけどやっぱり死ぬのは……怖いです…」
コトは震えるモモカの背中を優しくさすった。
「モモカちゃん……大丈夫だから…」
モモカの嗚咽だけが聞こえる中、フウが小さな声で呟いた。
「私……生け贄になってもいいです」
フウの表情に怯えた様子はなく、既に覚悟は決まっているようだった。
私たちが呆然とした中、フウは続ける。
「私、実は自殺しようとしてたんです。
親からもクラスメートからも嫌われていて辛かったんです。私のことを好きになってくれる人はいないんだってこと
やっと分かって、死ぬ覚悟は決めていました。でも、いざ屋上に行くと怖くなってたった一歩が踏み出せなかったん
です。私は今が今度こそちゃんと死ぬ機会だと思ったんです。しかも今回は私の死が人の役に立てる。
こんなチャンスはもう二度と来ないと思います。長く語ってすみません。私のことなんて興味ないですよね。
短い間でしたが…ありがとうございました!
みなさんお元気で…!!」
フウはそう言うと中央にある女神の像の下へと歩き始めた。
後ろを振り返ろうとはせず、一歩一歩には躊躇いがなかった。
止めるべきなのか、止めないべきなのか私は迷った。どっちか彼女にとって良いことなのか……。
女神の像まであと3歩……。
「フウちゃん…!!!!!私はお前のこと好き!!!!」
コトが掠れた声でそう言った。
「少ししか話したことないのにそんなこと言わないでよ…。
死ににくくなっちゃうじゃん……。またね…コトちゃん。私もコトちゃんのこと大好き!!」
フウはそう言って、誰にも止めさせまいと女神の像の下へ走った。
フウが女神の像の下まで辿り着くと女神の不気味に光った。
その瞬間、フウの姿は跡形もなく消え去った。
残ったのはフウの身につけていたブレスレットだけだった。
ミスです。
「フウちゃん…!!!!!私はお前のこと好き!!!!」ではなくて
「フウちゃん…!!!!!私はキミのこと好き!!!!」でした。
もともとこの台詞はヨリタに言わせるつもりだったので「お前」となってしまいました。
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