「ど、どういうこと!?」
その嘘がデスゲームに関係することだったら大変なことになりかねない。
「んー、デスゲームに関係することではないよ。でも、彼の嘘で仲間内での空気は険悪になる可能性はあるね」
「そんな……!」
命令に従うためには「チームワーク」が一番大切だ。険悪にさせるわけにはいけない。
「これ以上のことは詳しくは言えないよ。
だいぶここで時間をくってしまったようだね。おれは他の奴らのとこにも二者面談しに行かないといけないから
失礼するよ」
クマはそう言うとさっさと消えてしまった。
ただ中学生の私に出来ることは「人と人のつなぎ役」
それぐらいだ。私は「チームワーク」が崩壊する前に嘘を暴くことを静かに決心した。
まずはキョウとユウの関係について情報を集めよう。私はチヤと合流したときにユウが何か情報を漏らしていないかに
ついて聞いてみようと思った。
考えていると少し疲れてきたので部屋の隅に追いやられているベッドに寝転がった。
すると、すぐに眠気が襲ってきた。
夢の中なのに眠れるんだ。
そう思うと同時にこれがただの夢ではないことを改めて実感する。
このまま寝ようとしていると再びコンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「起きてる?飯持ってきてやったよ」
クマの声が聞こえた。このような場所でもご飯はくれるんだなと思った。アメとムチの原理で
私は「ありがとう」と言いかけたが、クマは私たちを夢に閉じ込めた悪い奴だということをとっさに思い出し無言で
受け取る。
「なんだよぉ。せっかく持ってきてあげたのに「ありがとう」の一言もないのぉ…?」
私が無言で受け取るとクマが不満そうな声をあげたので私が「あ、ありがとう…」というとクマは満足そうに帰ってい
こうとした。
このご飯は食べても大丈夫なのだろうか…?
「ちょ、ちょっと待って!!」
私が慌てて止めるとクマはゆっくりと振り向いた。
「毒…とか入ってないよね?」
私がそう言うとクマは自分の体に縫い付けられたポケットから紙を取り出した。
「この紙に書いてあるとおりね、おれたちクマは直接参加者に危害をくわえていはいけない決まりになってるんだ」
ミス。
「おれたちクマは直接参加者に危害をくわえていはいけない決まりになってるんだ」…×
「おれたち悪魔は直接参加者に危害をくわえていはいけない決まりになってるんだ」…○