気がつくと、私はつめたい床の上に倒れていた。
辺りを見渡すと、人が一人だけいた。
クマは「閉じ込められてるのはあんただけじゃないよ」と言っていたが、私の他は一人しかいないのだろうか?
「やっと起きたみたいだね。じゃあ命令を始めるよ」
クマの姿は見えないのに、声が部屋中に響き渡った。
「ちょ、ちょっと待って!」
私は思わず、声をかけた。
「ん、なんだい?」
「閉じ込められてるのって二人だけ?」
「ううん。他にも違う部屋にいるよ」
「会える?」
「ここの部屋を脱出できて、生きていたらね」
クマはニヤリと笑った。
「それって、死ぬかもしれないっとこと?」
私よりも先に、私と閉じ込められている人が聞いた。
「うん。じゃあ命令に移ってもいいかな?」
私たちは返事が出来なかった。
死ぬかもしれない………。
「命令1。
―――鍵を制限時間内に見つけてこの部屋から脱出しろ―――
制限時間は二人の自己紹介とかもかねて、今回は長めに設定してあげるよ。
生きていれば、これからも協力していく「ペア」となるから、しっかりとね。
「ペア」っていうのはね、これからの命令でも一緒になることが多いよ。「ペア」の片一方が死んだら
一人で行動することになるから「ペア」はちゃんと守ってね。
命令1の時間制限は2時間。命令1だから、簡単だよ。これからもっと楽しませてもらわないといけないからねぇ。
ルール説明は終わり!
―――スタート―――」