「は、はい。」
「あらそうなの。私は明里。こっちはウサギ。」
「えっ?ウサギ?」
「ふふん‼明里が示されたのさ!私が初めてなんだぞ‼」
ウサギが自慢気に言った。
「耳みたいでしょう?髪が。」
「ほんっと。あっ。私は花。」
「私は伊美夏!」
花と、伊美夏っと。
「私は…紗智。」
最後の紗智だけ元気がなかった。
「ええと、真美だったかしら?」
「は、はい‼」
「真美、あなた私達のグループに入らない?」
『えっ⁉』
クラスのみんなが叫んだ。
明里はそれをにらみながら、私に言った。
「というか、ぜひ入ってくれるかしら?」
「いいの⁉私、お母さんが政治家なだけで、私は特に…」
「そー言えば、真美のお父さんって、小説家だよね?」
知っていたのか、伊美夏が言う。
「あら、そう?」
「うん。『若桜の下で』とか。」
すると、明里が自分の席に戻って、本を持ってきた。
「まさか、いたやいさん⁉私、よく読むの‼」
明里が持ってきたのは、『若桜の下で』だった。
「もう入ること決定よ‼」
明里は興奮しながら言った。