(新中学校生活初日なのに、はずかしいってば!
智也って、ちょっとオレ様的なとこあるんだよね・・・
なのに女子に人気って、意味わかんない。
あいつのどこが良いんだか?)
トボトボと教室へ向かう途中、ある女の先生に声をかけられた。
「あら、あなたが転入生の乙音さん?智也さんは・・・?」
「あ、智也はもうすぐ来ると思いますけど・・・」
先生は眉をひそめて
「乙音さん、智也さんを連れてきてくれないかしら?
校長室で手続きをしないと・・・」
(げぇーっ。それだけはやだぁっ・・・だって気まずいし。)
「良いかしら?」
流石に転校初日で言うこと聞かないっていうのはやばい。
そう思うけど、やっぱり、嫌なところもある。でも口が滑ってしまい
「わかりました」
(あー・・・言っちゃった・・・)
「さすがね。お願いするわ。」
先生はニコッと微笑むと、奥へ行ってしまった。
(と、とりあえず智也を呼んでこよう・・・)
私はまた校庭に出た。出た瞬間目の前に現れたのは、
爽やかイケメンで背が高い、まるで大人のような男の子___
「おっと。君、大丈夫?」
優しい瞳でこちらを見つめてくる。栗色の、澄んだ瞳だ。
「はっ、はい!大丈夫です!すみませんでした、失礼します!!」
「ん?ちょっと君!待って。」
「え?な、何でしょう・・・?」
私の顔をまじまじと見つめる。
(きゃ〜っ。そんなに見つめてきたら恥ずかしいって!)
「君、名前は?」
「か、神崎乙音です。」
ドキドキしながら言った。何かしてくるのだろうか?
「ふぅ〜ん、乙音ちゃんね。オレ、四月修斗。よろしくね。」
「はい!よろしくお願いします!」