明日にはなくなってる。そんな世界のお話です。
――赤
赤色の物語。
明日世界滅びます。それが私にとって最後に聞いた言葉だった。
世界の終わりなんてみたくないし。だから私は自殺した。ただそれだけ。
クラスの友達とか家族とかみんなどうしたか私は知らない。テレビで流れた瞬間。
自殺した。別に悔いはない。これでよかったと思う。
死後の世界など信じない。世界が滅ぶから。きっと死後の世界も私がいた世界も
まるごときれいに。なにも無かったように。無。となって消えるのだろう。
そう信じて死んだ。死にました。
たぶんこの声も一瞬に発した声。
誰かに聞かれたのかとかそういうことは知らない。
それが私の話。
赤色。
――青
海の物語。
明日世界滅びます。それが私にとって絶望でしかなかった。
まだしたいことなんてたくさんある。もっと楽しいことあっただろう。
ニュースがやってる。自殺者が大量に出てる。さて、私はどうしよう。
ニュースが終わった。だよね。キャスターさんだってしたいことあるよね。
それでいいよね。私は世界と共に死にたい。
あぁ。病院からたくさんの人が出てくる。看護師さん。お医者さん。患者さん。
どうせ今日で終わるなら私も出ていこう。
ずっとお医者さんにもパパにもみんなに禁止されてたこと。
いっぱいやりたい。本で見たいろんなこと。やってみたい。
でもただ一つだけ。
海に行きたい。
1km歩くのも精一杯だけどやっと海に行ける。それだけで足は軽くなった。
テレビとか本で見たより何倍も何倍もずっと綺麗。
嘘じゃなかったんだ。あるんだ。窓から見える海は嘘じゃないんだ。
嬉しい。
砂に寝転がる。眠たいな。
それが私の話。
海。
明日あたりにまた出します。感想?とかどうぞ。