愛を知らない僕たちは。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
4:中学一年生:2019/07/07(日) 21:31

「あーおっ」
帰り道、1人の少女が碧に声をかける。
「夏湖…」碧があからさまに嫌そうなな顔をする。
雪代夏湖(ゆきしろ かこ)
夏湖は碧の隣の家に住む幼なじみ。
同い年だが夏湖は違う学校に通っているため
最近顔をあわさなくなっていた。
会って早々に夏湖は言う。
「ウチのママたちまた喧嘩してんだよー!
毎日毎日うるさいったら!この前なんか…
ん?何だっけ…。あ、あれだ!
パパがゴルフクラブをね買ったの。
12万円のやつ。もーママ大激怒で困っちゃう。
あと、私のテストの点数が悪くて喧嘩になった笑
パパがママに言ったの。お前の育て方が悪い!て。
で、ママが何で私ばかりを責めるの!
あの子があんななのはあなたのDNAのせいよ!
って!普通さぁ本人の前で言うかなって思うよっ」
一気に夏湖は愚痴を言い切った。
夏湖も恵まれない環境に育っている。
夏湖の母は幼い頃に亡くなった。
そのため夏湖は父親についていくことに。
その父親が今の母親と結婚。
その義母は夏湖のことを邪魔者にしている。
「大変だな」碧はその一言夏湖に言った。
「碧は?おばさんたち、どうしてんの?」
夏湖の言葉に碧は何も答えずに前だけを向いた。
「そっか…」夏湖も理解したらしい。
碧も夏湖も親の愛情をうけることなく育ってきた。
そういう意味でいえば碧にとって夏湖は
唯一の理解者と言えるのだ。
でも碧はそんな夏湖にでさえ弱音を吐かなかった。


全部 <前100 次100> キーワード
名前 メモ