観衆なんていらない!

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5:威風◆Ok:2019/07/17(水) 17:03

 「本当に遊んでる? 吹上君血がでてるよね?」
私は、吹上君にたずねた。すると、直ぐ様持田が答えた。
「吹上のやつー、さっき転んだんだよ、な?」と持田は必死に吹上君が転んだことにしたがっている。
「いや、違うよ平野さん......」
吹上君が小さくて弱い声で言った。そよ風のような静かな声。私にはその声がしっかりと聞こえてきた。
「持田! 吹上君転んでないって言ってるよ! イジメならやめなよ!」
持田は私と吹上君を睨み付けてきた。時計の針は5時丁度を指していた。
 
 私も塾の時間があるので帰った。姉がテレビを見ていた。
「おかえり〜、中学も慣れてきた?」 姉が私にきいてくる。
「うん、新しい友達も出来たし、男子がうざいけどねー」
「男子うざいよねー、まあ頑張れ!」
うざいというか嫌なやつが1人だけいる。テレビの夕方のニュースが目についた。
 
 「最近、中学生のイジメが増加 SNS等が原因か」
中学生の......イジメ? やっぱりあれもかな。
このままじゃダメだ。イジメを見ているだけの「観衆」はダメなんだ!


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