私の名前は渡辺恵美(わたべ えみ)。高校に入学して約1ヶ月たった。
「おはよー」
教室に入って、1番に聞いたのは友達の吉野茉奈(よしの まな)ちゃんの声だった。入学当初、席が前だった。
1個上の親友が友達作りを手伝ってくれて、今ではよく話せる友達。
「おはよう」
「テスト勉強した?」
「ううん、全然。範囲広いからね」
「だよね」
茉奈ちゃんはそう言って笑った。
私は自分の席に座って勉強道具を出した。
今日はテストがある為、掃除がSHRのあとすぐにある。
だから、必要のないものはカバンからは出さない。
茉奈ちゃんも自分の勉強をする。
少し勉強手した時に担任の先生が教室に入ってきた。
「はーい、みんな席ついて」
先生の話は長い。クラスのみんなから言われてる。
私の前の席の子なんか「遅すぎ。ふざけるな」なんて暴言言ってる。
実際、私も心の中で「急いで」って思ってる。
理由は、先生に会いたいから。
その先生は教室がある棟とは別の場所にいる。
私の掃除場所はそこの近くの更衣室。
そこの更衣室のカギを借りる時に会える。
遠いところにある棟だから、急がないと会えない。
だから私は心の中で「早く終わって!」と懇願する。