孤島のラルテル

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3:カステラの茶色いとこ:2019/09/27(金) 13:10


──ヘプスルク・ド・ラルテルは名将軍であった。

私、アシメアは、彼を嫌悪はすれども軽蔑はしなかった。
むしろ尊敬していた。


30万の大軍に対し5万の軍で挑み、6倍差をひっくり返して勝利を収める知略の天才。
気候や地形を熟知し、自然現象を味方につけるその様は神と崇められた。
4ヶ国語を操り、知識や教養にも富み、外交にも強い。

ラルテル率いる5万のフラウン王国軍と戦うより、30万の他国軍を相手にする方がマシだとイギリス王にさえ思わせた男だ。
若干25歳にして大佐に抜擢されたのも、嫉妬はしたが疑問は無かった。

そんな逸材ラルテルだが、彼は王に忌み嫌われていた。
もちろん初めは素晴らしい戦績を残したことで王に可愛がられていたものの、彼は愚かなことに民衆の味方に徹し、税の徴収額が重すぎると抗議したからである。


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