「ここよ!」
「え、ここって使われてない古い倉庫だよね……?」
私は三瀬さんに、すっごく人気のないところに連れてこられた。
校庭の隅の隅。今は使われていない倉庫が、目の前に聳え立っている。
「安心しなさい!ここがあたし達の活動拠点。ほら、ドアに張り紙が……って、あれ?」
三瀬さんは、不思議そうにドアの方を見ていた。
張り紙がどうのと言っていたけど、それらしき物は見当たらない。
「……ない!張り紙が見当たらないわ!」
「ええっ!? どこかに飛ばされたとか……?」
「そうね、貼り付け甘かったかも……よし、決めたわ!」
一瞬、すごく落ち込んでいたような気がする。
でも三瀬さんは、一瞬で立ち直ってこう言った。
「最初の仕事は、消えた貼り紙探しよ!」
そう言うと、校庭へ駆け出していく。
「ちょっ、待って……!」
貼り紙探し……そもそも、本当に見つかるのかな?
不安があったけど、私は何よりあの表情が忘れられなくて、
三瀬さんについて行くことにした。
あの子は足が速かった。男子ともいい勝負じゃないかな?