急な申し出に、困惑する三瀬さん。
だけど、少し時間を置いて返事が返ってきた。
「良いわ!張り紙を見つけてくれたし。じゃあ……部員二号ね!」
「二号?」
「もう一号がいるから」
そう言って、私の方を見る。
は……一号って、私のことか!
「へえ、結城さんだった?よろしく頼むわね」
「う、うん……よろしく!」
神崎さんは、意外と優しい表情だった。
みんな、同じクラスの仲間だけど……仲良くやって行けそう!
そう思っていると、三瀬さんが教室のドアを閉めてこっちに戻ってきた。
「あれ、どうしたの?」
「神崎シロさん……あなた、嘘をついてるね?」
___えっ?
私は、目を点にした。
嘘って、何のこと?
「嘘……? 何処がそうなのかしら、三瀬さん」
神崎さんは、何も隠してないと言うような余裕の顔だ。
だけど三瀬さんは、鋭い目つきを変えることはなかった。
「外から紙が飛んできた。そう言ったわよね。
でもね……私たちは聞き込みをしたの。下級生の話では、おそらくあなたが……紙を拾っていたのを見てたわ。
……外で」
「あ、そうか、そう言えば……!」
確かに、聞き込みした話と神崎さんの話が全然ちがう。
何で気付かなかったのかなぁ?
「ふふっ……成る程ね。そこまで調べたなんて、やるじゃない」
「その張り紙を拾ったなら、見てたはずよ?内容を。探偵クラブなんだし……
私を甘く見たわね?」
笑みを浮かべる神崎さんと、自信ありげな三瀬さん。
十秒くらい時間が止まってたかもしれない。
それくらい静かな時間が過ぎて……
「探偵を試すなんて、良い二号じゃない?
わかったわ。正式に探偵クラブの一員よ」
「えっ、自分のことを……」
自分のことを、探偵って言ったよね?今。
うーん……自信ありげじゃなく、てすっごく強い自信を感じた。
「けーすくろーずど!今日の事件はバッチリ解決したわ!さて、帰ろ帰ろ!」
「case closed……じゃないの?」
神崎さんに突っ込まれながら、三瀬さんは1人教室を出ていく。
私も疲れたな、帰ろう……。
___明日から、どうなるのかな?探偵クラブに入っちゃったけど。
きっと、大変なことになる。だけど、きっと楽しい。