やってしまった……。 こんなはずじゃなかったのに……。
眼の前に広がった光景に、私はどうすればいいのだろうか分からず、ただ茫然とするばかりであった。せっかくOLとして社会に出たばかりなのに、まさかこんなことになろうとは。
できれば夢であってほしかった。しかし、まぎれもなくこれは現実だ。私は後戻りできないことをしてしまったのだ。
でも、仕方ないではないか、こうするしか。だって、ほかにどうしろと。
そのときである。
「でしょ」
「ハハハ」
私は背筋がびくっとなった。誰かの話し声が聞こえる。間違いない、人がいるのだ。このままなら、そのうちこっちに来るだろう。
どうする……。こんなところ誰かに見られようものなら……。だとしたら、私にできることといえば……。
私は全力で逃げ出していた。