少女がうなずくと、ネアは「えへー」と聞こえてきそうな笑みで、
「スミレ。どう?いい名前でしょー」
と、これからの少女の名前を言った。
「良いんじゃないかな?」エインが微笑む。
「同じくです」リリーも肯定する。
「悪くないな。まあ決めるのは本人だが」ブロウはあくまで彼らしく言う。
「······なるほど」アルストも呟く。
「······それって」少女は、ともすると泣き出しそうになる心を抑えて言う。
「うん。この前さ、いろんな花の意味教えてくれたでしょー。だから、私は···」
そうしてネアは笑顔のまま、「貴女に、この名前を授けるよ」。
スミレの花言葉は、「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」。
少女は──スミレはこの時、花が好きで良かったと、心から思った。
[ちょっとあとがき]
今回短くなりましたね。仕方ない、次回急展開だもの。