>>14
いえいえ、参考になったなら幸いです。
はて、どこの吸血鬼様ですかね。
そこから拝借したとか内緒ですよ?
全然違うものにするつもりです。ご安心を。
はい。やっぱり1日目しか頑張れないですね。
とりあえず書きますよ。
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しかし、狂いに気づけなかったのも無理はない。ベルディアと過ごす日々はエマにとっては勿論、ヴィクターにとっても楽しいものだったからだ。
街へ出かけたり、草原を駆け回ったり、庭を散歩したり。無論、日差しの強い日は吸血鬼のハーフのベルディアの肌がボロボロになってしまうらしく、一日中を室内で過ごしていた。それでも彼女といる日々は少し気味が悪いほどエマたちにとって楽しいものだったのだ。
「やあ久しぶり、エマ、ヴィクター。…そこのお嬢さんははじめましてだよね?僕はセフェリノ、度々ここに侵入してくるんだ」
「侵入だと率直に言うな」
「そうだねぇ、じゃあヴィクター達に密かに歓迎されている、でいいかな?」
「ほとんど変わってないだろう。結局は公の客ではないと自称してるじゃないか」
呆れた顔でヴィクターはため息をつく。セフェリノははは、と軽い笑いをこぼしてそういえば君の名前を聞いていなかったよ、と話を戻した。
ベルディアは深々と一礼してからベルディアよ、よろしく、と名乗った。
「ベルディア、か。いい名前だね。さて、君は一体どこから来たんだい?この街で見かけたことはないが…」
「そうねぇ、貴方達も知らない遠いところ、かしら。吸血鬼について調べているの。彼らにはその手伝いをしてもらっているの」
「そうかい。いい情報が見つかるといいね」
エマもヴィクターも少しばかり違和感だった。
屋敷の外でも彼らは出会うことがある。
そう、街でだ。セフェリノは街のことなら大抵のことはなんでも知っており、顔も広い。エマたちと言葉を交わさなくとも彼らのことを一方的に見かけた、という話もよく聞く。
なぜベルディアが現れてからの二週間ほどは一切見かけなかったのだろうか?話を聞いていてもいつも通り過ごしていたようで体調を崩して寝込んでいたわけでもなさそうだった。出会わなかったとしても彼の知り合いが何かしら話をするだろう。二人ともそう思っていた。
だが、二人はただの考えすぎだと思ったらしい。ここでもし、どちらかが違和感に気付けていたら。考えすぎだとさえ思わなければーーー。
しかし、結局後悔したところで過去は変わらない。
変えられるのは、未来だけなのだ。