それが運命だとしても、

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4:遥架◆/RIeTN.:2020/06/14(日) 13:43


 >>2
 ありがとうございます!駄文の連なりですが読んでいただけるのはありがたいです!!


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 エマ=ルシエンテスは少しばかり好奇心が旺盛なところ以外は普通の少女だった。否、普通と呼ぶのは語弊がある。伯爵家というそれなりに裕福な家に生まれ、育った少女だ。大切に育てられた故に世間のことを知らず、世間を知りたい故の気持ちだった。

 いつものように部屋で本を読んでいると、何やら屋敷が騒がしいことに気づく。あまりの騒がしさに外の様子が気になり、部屋の扉をそっと開けて顔を覗かせる。辺りを見回し、誰もいないことを確認してそっと部屋を出た。
 こんな時、決まってエマは部屋から出してもらえない。だから、こっそり出るしかないのである。

 部屋を少し出たところで、エマ様、と声をかけられる。彼女より二つ年上の執事、ヴィクターだった。

 「旦那様に部屋から出るなと…」
 「しーっ、もう部屋にはいなかったことにして頂戴な。私だって気になるんです、外で起こっていることが」

 ヴィクターが全て言い終わる前にエマは言葉を遮る。悪戯な笑みを浮かべて、口元に人さし指を当てると、そっとヴィクターの元を去ろうとした。
 すると、ヴィクターはお待ち下さい、と引き止めた。

 「…騒動の元はあっちです、そちらには何もござませんよ」
 「うふふ、ヴィクター。ありがとうございます」

 軽い足取りでエマはスキップしながらその場を去っていく。ヴィクターはお転婆で好奇心旺盛なエマの後ろ姿を見送ることしかできなかった。


 使用人がいないことを確認しながら、静かに歩く。足音を立てないようそっと足を差し出していく。しばらく歩くと、庭の方に人だかりが多くできてるのが見えてきた。


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