ーーウェンディは、ピーターの思い描くような
架け橋になりました。いつまでも彼らの存在を
忘れなかったのです。いつの間にかウェンディは
17歳、高校生になっていました。
それでも彼女は、信じる気持ちを忘れませんでした。
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ウェンディがいつものように学校へ向かい、教室へ
入ると、何やら騒がしかったので、友達に何があったのか
聞きました。
「ああ、今日転校生が来るの」
その子が答えました。ウェンディはお礼を言いながら
転校生について考えました。
ウェンディが考えていると教室のドアが開き、
転校生が入って来ました。
癖のある赤毛とそばかすが特徴の少年でした。
何処と無くピーターパンに似ていると、彼女は思いました。
「ピーターです、よろしく!」
ウェンディは少年の名前を聞いて、さらに驚きました。
まさか、名前まで似ているとは!
偶然にもピーター少年は、ウェンディの隣の席でした。
「よろしくね、ピーター。私はウェンディよ」
ウェンディは軽く自己紹介しました。
「仲良くしてね、ウェンディ!」
その笑顔も、何処と無くピーターパンに似ていました。
ーーその頃のネバーランド。ティンクは空を飛びながら
何かを、或いは誰かを探していました。
「ピーター!ピーターパン!!何処行ったのよ!?」
どうやら、ティンカーベルはピーターパンを
探しているようでした。
そこへ、迷子たち(ロストボーイズ)の一人が現れました。
「ティンク!どうしたんだい?」
「ああ、ねぇピーターパンを見なかった?
さっきから探しているんだけど、いないのよ」
迷子たちは首を振りました。
「もう!何処へ行ったのかしら!」
彼女は文句を言い、飛び去りました。