柚咲家の当主──柚咲霧零(ゆずさき むれい)様は、世界中に電子機器を輸出している有名企業citrus (シトラス)の創設者。
本来私のお父さんは、霧零様の息子である一角(いっかく)お坊ちゃんのボディーガードとして雇用される予定だったのだ。
そこで私は考える。
柚咲家に近づいてコネや人脈を広げれば、大物政治家に接触できる可能性も微レ存!?
そこからお父さんを巻き込んだ犯人が分かったり……!?
「よーし、私が柚咲家のボディーガードになるっ!」
なんて短絡的なアイデアだけど、このまま何もしないよりは事態を動かせるはず!
そう決意した私は、父の代わりに一角君のボディーガードを申し出た。
もちろんお母さんにも柚咲家にも猛反対されたけど、柚咲家の厳しい採用試験(死にかけた)、お坊ちゃんと同じクラスに編入する為の編入試験(筆記はギリギリ)を経て、最終的に何とか一角お坊ちゃんのボディーガードの座を勝ち取った。
その話はまぁ後で振り返るとして──。