「瑠璃……まさか昼食それだけ!?」
「いやー月末は金なくてさぁ。いや、月末に限らずいっつもねぇんだけど」
大学校内の食堂で弁当を広げていると、同じ学科の美麻が俺の弁当箱を覗き込んで目を丸くしていた。
俺の弁当箱の中はもやしをポン酢で和えた物だけが雑にに盛られていて、確かに人から驚かれることが多い弁当だとは思う。
「でも周りのヤツらだって似たような感じだぜ? ほら、あの人の弁当も野菜しか入ってねーし。やっぱみんな月末は厳しいよな!」
周りを見渡すと、持参した多くの弁当の中は緑一色だったりスカスカだったりする。
「馬鹿、あの方は前ミスコングランプリの金澤姫那。美意識高いセレブのファスティングダイエット! あんたの節約とは違うの!」
「えー! ミスコングランプリって食堂1年無料の権利貰えるって聞いたぜ? もったいねぇことすんなぁ……」