[第二話]
「これより、第51回蒼海高校入学式を執り行います。」
そう告げる男性の声が聞こえた。ついに入学式が始まる。
拍手が聞こえ始めた。それとともに、音楽が鳴り始めた。
次々と体育館へ進む。唯花の番だ。
唯花は少し胸を張り、私も今日からここの生徒だということを知らしめるように歩いた。
「続いて、新入生による抱負です。一年三組星野佑月さん」
はい、と明るい声で挨拶し、星野佑月は壇上へと上がる。
一歩前へ出て、お辞儀をする。その時だった。
唯花は口がぽかんと空いてしまった。星野佑月。一瞬で心が持っていかれた気がした。心臓が高鳴る。
佑月ははきはきと抱負を述べている。その姿は堂々としていて、緊張をしていることに間違いはないのに、そんなことを一切感じさせなかった。
すごい…唯花は心の中で思った。