青い七月

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13:匿名:2022/06/05(日) 21:21


>>12
ありがとうございます!!本当に嬉しいです!!




「ただいま」
誰もいない部屋に、那由多の声だけが響く。
「おかえり」と誰かが言ってくれるはずはない。今この家には自分以外誰もいないのだから。
「はぁ…」
鍵を閉め、ドスンと玄関に腰を下ろす。今日、一日で一体どれくらいの進展があっただろうか。
那由多は気持ちを整理しながら、靴紐を解いた。

まず、学校に行って、先生と話し合った。次回行くのは二週間後。
そして、七瀬さんと出会った。色々あって、神社の奥にある学校に行った。京極先輩、常夏さんと知り合った。
そして、優斗のことが分かった。
まさか入院してたなんて…。

今度優斗の入院先の病院を、七瀬さんに聞いてみよう。面会は出来ないらしいけど、それでもいい。
「優斗が早く良くなりますように…」
那由多は祈るように両手を組んだ。


冷蔵庫にある食材で適当に夜ご飯を作り、テレビを見ながら食べる。部屋に響くのはテレビに映る芸能人の声と自分がご飯を食べる音だけ。
いつものことなのに、なぜか今日は格段に寂しく感じた。
きっとあの場所で、みんなと──七瀬さんたちと一緒に食べたからだろう。
誰かと一緒にご飯を食べる楽しさを、思い出してしまったから。

自分は孤独なんだ、と那由多は確信した。
もっとたくさん、誰かと関わりたい。話したい。この孤独を埋めてほしい。
そのためには自分が動く必要があるんだ。いつまでも自分の殻に閉じこもって、受け身で生きてちゃダメなんだ。
喝を入れるために、那由多は両手で自分の両頬を叩いた。
「…痛っ」
少し強すぎたかもしれない。


──翌朝。
ぱちっと目が覚め、時計を確認する。時刻は午前9時。
今日はお父さんのお見舞いに行くから、行く時にスーパーでゼリーとか買っていこう。
一昨日お見舞いに行った時は、このまま順調にいけば二週間後くらいにはリハビリに移れると言われた。
早くお父さんと一緒にご飯食べたり、テレビ見たりしたいな。
そう思いを馳せながら、那由多は着々と身支度を整えていった。


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