平凡サラリーマンと根暗男子高生の話
※BL注意
僕は長らく味噌汁を飲んでいない。
いや、飲むことはあるけど、大抵インスタントの粉をお湯で溶いたものだとか、自販機の変わり種の缶をふざけて買ってみたりだとかで、誰かの作った出汁のきいた味噌汁はほとんどない。
味噌汁なんてわざわざ店で注文しようと思うほどものでもないし、かといって自分一人しか飲まないのにわざわざ1杯分の為に鍋を出すのも面倒で、結局数ヶ月は手作りの味噌汁を口にしていない気がする。
西日の角部屋1K、手取り28万、齢26。
大きいとは言えない企業のシステムエンジニアとして就職し、少々ブラック気味だが専門職なので給与はまぁ悪くない。
趣味は無いし人付き合いも面倒で、貯金だけは増えていく。
仕事一辺倒ではダメだ、生活に潤いを持たねばと考えてみたが、高級車は車検やら維持費がかかる癖に月数回も乗らないだろうし、ペットは癒されるけど家を荒らされたら困るなぁ……と色々嫌な面ばかり探してしまう。
今日も遅めの退勤で夜道を歩いていると、ふと公園からした怒鳴り声に、情けなく肩をビクつかせた。