○Prologue
僕は、初めから汚れていた。
生まれるべき存在ではなくて。
「あんたなんか…っ生まれなきゃ…私はあの人に捨てられずにすんだのに…!」
「ばかやろう…っ、バカバカバカ…!」
元々依存体質だった母は、依存相手の父に浮気されたときから変わってしまった。
なのに、親権は父ではなく母に移っていて。
「…ごめんなさい。」
僕は、ある時出ていった。
***
今では、僕は。
「ごめんなさい…っ許してっ!お願いっ…!」
「そんなこと言われても、ね」
ごめんなさいと、言われる側になった。
『那貴(なき)、お仕事ですよ』
あの方の元で。俺は。
殺し屋を続けていくと誓った。