私の名前は坂川美雨(さかがわみう)。高校1年生だ。
顔は良い方でも悪い方でもない。というか自分でもよくわからない。青春というものも経験したことがない、普通の女子。
私は双子に挟まれている。というのも坂川家は7人家族。高校3年の双子、私から言えば2人の姉、真奈と麗花。そして私の双子の妹、中学2年生。名前は歩実と佳奈。もちろんみんなこの5人この私を抜いた4人に注目するだろう。それが嬉しいのか最近私を見下してくる。
「…まるでシンデレラみたい」
「ねぇ何がシンデレラなの?」
登校中、急に話しかけてきた。なんだこいつ。ああ、同じクラスの小柳か。クラスの女子はほとんどこいつに惚れてる。小柳のどこがいいんだか。
「いや、なんにもない」
「え〜気になるんだけど」
あーもう。こいつといたら気が狂う。
「じゃあね」
「え、待ってよ!」
走って走って。息切れしながらも正門に着いた私は後ろを振り返ってみた。
「やっ!」
え。あれだけ走ったのに何で?どうなってんの。
「あははw?って顔してるwウケるw」
「…。」
こういうチャラいタイプは苦手だ。
「ねぇさっきから何なのあんた…。」