「ねぇさっきから何なのあんた…。」
とっさに小柳に言ってしまった。
「んー?君に興味持っちゃって。って言ったら怒る?」
「はぁ? 何言ってんの。」
「美雨ちゃんは鈍感だねぇ…。」
「…だる。」
「えっちょっと待ってよ!!」
スタスタと早歩きする私に小柳はニヤニヤしながら小声でボソっと何かを言った。
《キーンコーンカーンコーン》
一時限目が始まった。シャーペンでノートを取りながらもも朝のことを思い出す。
小柳の方を見ると真面目にノートを取っている。意外だ。
でも久々にあんなに人と話したかも。
姉達と妹達に見下されてずっと部屋にいたからか、なんだか心がスッとした。
ぼーっとノートを見つめる。
何だか線がゆがんで見える。
「あれ…?」
おでこを触ってみると、とても熱い。
座る姿勢を維持できなくなり、美雨は床に倒れてしまった。
教室中からざわざわ声が聞こえる。
まあそれはそうだよね。授業中に人が倒れたんだもん。
もうどうにでもなれ…。
「ぼ…が連れ…きます」
…この声は小柳?私の記憶はここで途切れてしまった。