[杏璃の晴れない霧]
「はぁぁ……。」
私はため息をつく。
凍えるような寒さのなか、一人で石を蹴飛ばしながら歩く。
わたしの名前は、橘杏璃。一昨日、静岡から青森に引っ越して来たばかり。
急にお母さんとお父さんが離婚して、遠い遠い青森まで引っ越して来た。
わたし自分で言うけど、静岡では人気者だった。みんなの前では常に笑顔で、
みんなの話をよく聞いて、みんなはわたしがどんなことを言ったら喜んでくれるか考えて。
みんなのけんかはいつもわたしの取り合い。みんなわたしのことを
「アンちゃんアンちゃん!」
と、呼んでくれた。もちろん、青森に来ることになっても、不安は一切感じなかった。
今までの友達と別れるのは辛かったけど、それよりも新しい生活への期待で胸がいっぱいだった。
続きはまた今度書きます!レス禁解除!