『私の指先』
触れることすら叶わない
あの青い空のように
とても遠い存在になっていく
そんな君の見慣れた背中を見つめて
動けないよ、ねえ。
愛していたのは私だけで
だけどそれでも幸せだった
そばにいられるその時間だけが
私を笑顔にしてくれた
私から手放した恋なのに
どうしてこんなにも涙が溢れるの
君が幸せならそれだけで
たまらなく嬉しいはずなのに
好きの気持ちに嘘までついて
自分を苦しめるのは自分
戻らない距離を
もう一度取り戻したいけど
間に合わないこの指先が
震えて冷えきって
後悔に押し潰されそうな夜を
何度も越えていく