ふと、空を見上げるのだが。 その日は花曇りで、いつだって曇天ではなかった。 来ない春になにを求めているのか。 すぐに散ってしまう悦びの快楽に溺れたとて意味はない。 白い鎖で繋がれたわたしの罪は、青空なんかでは洗われない。 今はただ、白色光のほんの少しの割合で輝くものがほしい。 白いアネモネに触れたとて、狂ったようにいつも彼岸花が咲いていた。 仮面の奥ではいつも泣いていて、いつだって殺してほしいと切望していた。 嗚呼、その分、いつもガッカリしていたよ。