☆笹ちゃんside
双葉なんて大嫌い。
私は一人っ子が良かったのに。
お姉ちゃんなんて、いらない―……。
「起きなさい、笹ー!」
朝、お母さんが私を起こしにやってきた。
朝はもっぱら弱い私。
今日もシャキッと起きられそうにない。
「まったく、双葉はもう起きてるわよ!」
その言葉に私は反応した。
『双葉』という言葉に。
がばっと起きると、私はだんだんと音を立てながら階段を下りる。
バンッと荒々しくドアを開けると、そこには双子の姉の双葉の姿が。
まだパジャマ姿の私を見て、双葉はにやりと笑った。
「もうちょっと静かにできないの?あ、体重五百キロの人に言っても無理かー」
「はぁ!?あんたこそ毎日毎日、私をからかってさ!ウザいんだよ。ハゲ!!」
「なっ……」
私は「ハゲ!!」と言い放つと同時にドアを閉めた。
後ろから「ちょっと、ハゲって何よ!!」という双葉の声が聞こえてきたが、構わずに歩き続ける。
まったく、何であんな人と双子なんだろうね!
しかも一卵性って……。
運なさすぎでしょ。私。