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1:さくら:2015/07/14(火) 19:11

7月、セミが絶え間なく鳴き続ける暑い夏。
一人の少女が廊下に張られているいじめ防止のポスターをちらりと見て小さくつぶやいた。
「……嘘つき」
彼女は近藤美紀。公立中学校に通う、現在二年生。
いじめは、ある。ここに。
美紀は教室のドアをがらりとあけ、自分の席に向かった。
すると美紀はぴたりと足を止める。
自分の机の上に大量のゴミが置いてあったのだ。
それを見つめる美紀の背中に、小さな声が聞こえてきた。
「見てあれー!くっさぁー」
そんな声とともにクスクスと笑い声でざわめく教室。
しかし美紀は、そんなことはいとわずにゴミ袋を持ってきてゴミを次々と放り込んでゆく。
気にしない。
それが彼女のモットーだった。


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