授業が終わり、美紀はまっすぐに体育館へと向かう。
美紀はバドミントン部で今日は体育館を半面使えることになっている。
いつものようにポールを刺して、ネットを一人で張っていると……。
「お願いしまーす」
クラスの女子が入ってきた。美紀の学校では、部活動中、入ってくるときは「お願いします」で、出ていくときは「ありがとうございました」という。顧問が入ってきたときはそれぞれ「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」だ。
「あーっ!美紀ちゃん、いつもごめんねぇ〜」
「え……」
「たけ子、あんた何言ってんの?」
「近藤さんは、私達とは付き合わないって」
ぎゃははっと、体育館に笑い声が響く。
いつもこうだ。私を馬鹿にして……。
美紀は知らん顔をして準備を続けた。