「 好きだよ 」
「 .. 本気 ? 」
「 んふ 、冗談だよ 」
「 ばーか 」
へらへら笑う彼奴はやっぱり気に入らない 。なんかむかつくから一発ぼこんとかましておく 。もちろん少々弱気で 。少々 。
「 あっれ 、里咲ちゃん期待しちゃったのかな 」
「 してねーよ 、黙ればか 」
名前で呼ばれるのが嫌いな私はたちまち不機嫌に 。いや 、さっきのあのやり取りをしてからもう不機嫌だった 、と思う 。
口悪いなあ 、黙ってればかわいーのに そうつぶやく彼奴をちらり 。そっか 、私かわいいのかなんて素直に喜んでる私の方が馬鹿みたいだ 。こんなこと世界中の誰にだって言うような奴だぞ彼奴は 。自惚れるな 、 私 。
「 ねえねえ 」
つん 、と私の頬を指でつっついた彼奴は言った 。
「 俺 、好きな人がいる 」
>>14の手直しばーじょん